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2025年08月01日

振り返りのブレイクタイム


酷暑の7月でしたが前期の授業も終了。
いつも大学から帰宅したらまず珈琲ブレイク。
(日本茶やお紅茶のときもあるけど)
喫茶店よりいちばん心地よいです。

そして忘れないうちに授業の
改善点や学生の様子などを振り返り。

私は着物を創作したり、販売をしたりして
着物に関わっているのではなくて
”着物文化を伝えること” が仕事なので
1コマのなかでどれだけ着物について
理解を深め、愛着を持って貰えるか。
もっと分かりやすく楽しくするには。と
試行錯誤のくりかえしですね。

学生から
「着物についてこんなに考えたことがなかった、
期待以上の学びを得て有意義な授業だった」
「京都らしさ全開のクラスだった。普通に生きてたら
関わらない分野の勉強ができてとても良かった」
「毎回の授業で得る知識が新鮮で面白く
教養が深まっていくのを実感できた」

「留学中この授業がいちばん気に入りました。
来年留学する友達にもお勧めします」
「日本人でありながら着物について知らなかったから
誰かに教えてあげたい」
「先生に人柄も合わせて4年間で
1番受講してよかったと思える授業でした」

こんな感想をくれると教師冥利に尽きますね。

また”現場を見る、声を聞く”ように促すので
学生は積極的に取材に行きました。

快く協力してくださった着物業界の皆様
本当にありがとうございました!
お陰で深い学びとよい発表ができました。

まだまだ暑い日が続きますが
ご自愛のほどお過ごしください。

「柾木良子の京都で着物らいふ」より
2025年07月28日

お能と狂言を鑑賞

お能の会へ

先日、私の授業でゆかた実習の
お手伝いに来てくれた
片山峻佑くん(同志社大学3回生)の舞台を観てきました。

↑右端

生まれた時から知っているので
子供から少年、そして青年になった姿を見るとまるで
“親戚のおばちゃん”のような気持ちで
「大きくなったな。凛々しくなったな〜」としみじみ。

こうして芸も受け継がれていくのですね。
これからが楽しみです✨

茂山千五郎さんと茂山逸平さんの
狂言も面白くて声に出して笑ってました!

私は地下鉄「東山駅」から川沿いを
歩いて観世会館まで行きますが
昔からこの川と橋は好きな場所です。





2025年07月13日

夏の必需品お扇子


夏の外出で必須アイテムは
日傘、ハンカチ、お扇子です。

あおぐ姿を想像して
絵柄や親骨の色もコーディネートして
どのお扇子にするか選びます。

帯にさすこともありますが
紙の部分が痛まないように
お扇子袋に入れて使うときだけ
袋から出してあおいでいます。
お扇子袋も可愛いですからね。

朱色のお扇子は二十歳のとき
母に買ってもらったのを今も愛用してます。
着物モデルの時はカメラマンさんに
美しい持ち方を教えて貰ったり、
また日本舞踊を習っていたときは
舞扇であおいで先生に叱られた記憶があります。

最近は小さな扇風機
”ハンディファン”を顔に当てながら
歩く姿もよく見ますが
私はまだまだお扇子派です。

「柾木良子の京都で着物らいふ」より
2025年07月10日

夏の着物は涼し気に

暑ーーーッ!
体温を超える猛烈な暑さ。
この先が思いやられます。

気合を入れて着物に着替えて、いざ大学へ。
コピーを取りに控室に行くと
「わぁ、涼しそうなお着物」
「いつもお着物姿、見てます?」っと
知らない先生方に声をかけていただき
コピーしながら会話が弾みます。

涼しく感じて頂けたり着物に興味を持って貰えて
私もちょっとはお役に立ててるのかな?
なんて。

こんなに暑いときは
できるだけ涼しい工夫をして。

補正などせず直に麻のお襦袢を着て
普段は伊達締めの所を腰ひもや
メッシュの帯板にしたり。
籠バックや日傘とお扇子は必需品。
お化粧も薄めに涼し気に。

この絹芭蕉の着物と信州紬の帯は
もう20年ほど着ていて
あと30年は着られそうかな。

「柾木良子の京都で着物らいふ」より





2025年06月28日

同志社大学ゆかた実習


同志社大学 今出川校と京田辺校でゆかた実習

貝の口結びやおはしょりが難しい、、
と言いながらもクラスメートと助け合って
一人で着ることが出来ると
「楽しい?!」っと笑顔になります^^v

京田辺の男子たち映画「国宝」を観て来たばかり。
この授業を受講して伝統文化に興味を持ったらしく
歌舞伎の話題でもちきり!
「先生、写真撮ろう」ってことで
一緒に歌舞伎ポーズ!?

京田辺校では観世流 能楽師の片山峻佑くん(同志社大学3回生)が
手伝いに来てくれました。さすが着付けもお手の物☆彡

今出川校も京田辺校も朝までドシャ降りだったのが
梅雨とは思えぬ晴れ☀
※わたし晴れ女です!過去のゆかた実習も全て☀

蒸し蒸しと暑く実習の時はポリエステルの着物が最適!
2025年06月28日

京都の染め

京都の染めのこれからを考える
京染会の評議員会・懇親会

京料理 萬重さんにて




田畑喜八 理事長をはじめ
手描き京友禅
型染め
引き染
絞り染など各理事長と。
2025年06月23日

Expo2025大阪・関西万博


関西で開催される今回の万博。
せっかくなので6月上旬に行って来ました。
噂の大屋根リングは圧巻!


旅行では行くことがないかもしれない
パビリオンに行ってみようと、まずアゼルバイジャンへ。

・・というのも2年程前に私のクラスを受講した
アゼルバイジャンの留学生が居たので
どんな国なのか興味がありました。

つづいてサウジアラビアへ
さすが立派な建築と最先端技術を実感。
そしてセルビア。


こちらのお洒落なカフェでワインを頂きながら
セルビアに来た気分を味わう美味しいひととき。

などなど。初めての万博は楽しめました。
いつか、あの大阪万博に行ったな。
なんて思い出になるのでしょうね。

今回のテーマ「いのち輝く未来社会のデザイン」
今も世界では戦争が無くなることなく
罪のない多くの子供や人びとが犠牲になっています。
平和な万博が行われている一方で、無意味な戦争が終わらない。
矛盾を感じながら意義を考えさせられました。
2025年05月27日

伝統文化に親しむ日―高校授業


「伝統文化に親しむ日」として
着物について学ぶ授業を
約100名の高校1年生に実施しました。


京都は着物の街といわれ、
着物が似合う街でありそして生産される街。
特に京友禅や西陣織の製造工程は分業制で
それぞれの技術と労力と美意識が結集して、
ようやく1枚の着物が完成することを説明します。

「美しいものを美しい」と感じる感性は大切。
そして
「これはどんな風に、どんな想いで制作されたのか」
と想像を膨らませて物を見るように、とも話します。

美術工芸高校は美術を学ぶ生徒たちなので
様々な感性を磨き、感受性を豊かにすることが大切です。
“何を見て、なにを感じ、どの様に表現するか”

着物にはその要素がたくさん詰まっています。

はじめて一人で浴衣を着た高校生たちは
「かわいい!」「めっちゃ楽しい!」と歓喜の声があがり
写真を撮る姿に笑顔が溢れていました。

まずは浴衣の着付けと着心地を体感すること。
そして次に着物へ思いを巡らせることが
着物を継承していくことに繋がっていくのでは。と
この授業は今年で21年になりました。

授業にご理解とご協力して下さる、
歴代の校長先生、先生方、
ボランティアに来てくれる
同志社大学の教え子たちに感謝して。

京都市立美術工芸高校にて。
「柾木良子の京都で着物らいふ」より
2025年05月26日

単衣に仕立て替え

年々、夏の暑さが厳しく、しかも長くなり
着物を着るのも暑さと戦いながら
いかに過ごしやすく着るかが課題です。

5月でも急に夏日が来たり
単衣や薄物の出番が増えます。
私は日によって4月下旬でも単衣、
先日は暑かったので麻を着ました。
そこで15年ほど袷で着ていた着物を
単衣に仕立て替えました。


↑before
袷から単衣へ
↓after


単衣にしておけば冬に着ても構わないし
むしろ長い期間、着ることが出来ます。

この場合は、
洗い張り=袷を解いて、洗い、仕立てる
八掛を取って、居敷当(いしきあて)だけ付ける。
※単衣にしても大丈夫な生地の場合

襦袢は早くから夏用で衿だけ塩瀬にしてます。
(いや、実はほぼ夏用です。軽くて身体が楽なので?)

着物は季節によって
素材や色彩が変わることも醍醐味。
センスと工夫をしながら楽しく着ましょう。


「柾木良子の京都で着物らいふ」より











2025年05月20日

アスニーの講演を終えて


アスニー特別講演会 令和7年5月16日
『 感性に響く、
和のふるまいと趣ある言葉?所作を交えて? 』

朝早くから200名以上が来場してくださった講演の内容は、
著書「和のふるまい言葉事典」から
お勧めの”趣ある言葉”と、そのしぐさ(所作)を交えて。

1語1語 ”独り芝居” というかコントみたいになったり。
言葉を探し出した文豪作品、
谷崎潤一郎「細雪」や川端康成「古都」、
夏目漱石「それから」など、著書に掲載した文を朗読したり。

「この動きの言葉は何でしょう」
なんて、しぐさをすると、
会場から答えが返ってくるような和やかな雰囲気でした。

どの言葉をどんな風に伝えようかと
「これは外せへん。いやこっちにしよ」と
ぎりぎりまで構成を考えていました。

さて私の着物は
会場が大きくお客様が多いときは
後方からでも私の動きが見えやすいように
はっきりした色の着物を着るようにします。
(はんなりした色はぼやけ細かい柄は見えないので)
単衣の臙脂の紬に葛の染め名古屋帯で登壇しました。