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今の私の生活に無くてはならない存在となった着物。
最初は着物がただ好きで着ていただけでしたが、公私ともに着物に関わって過ごすようになりました。
学生の頃に漠然と「大人になったら着物生活したいな。」と憧れていた私が、着物の何にそれほどまで魅力を感じるようになったのか。
着物を着る日々のなかで、身を持って感じていることをプロローグとしたいと思います。
日本には春夏秋冬があり、四季の移ろいがありますが、古来より変わらぬ「着物という形」の中に、
季節を感じる柄や色彩が表現されているのは素晴らしい芸術作品を眺めているような気持ちになります。
古典的な柄以外にも文様の意味やストーリーがあり興味がつきることがありません。
着物と帯に加えて、帯揚げや帯締めなどの小物を数ある色から配色を考えて、自分らしいスタイルにコーディネイトする楽しさは格別ですし、
着物の好みと着方を通して個性が現れ、その人となりが分かる面白さに醍醐味を感じます。
また、着物を着ると心に響く何かがあり、精神面に変化が起きるということも見逃せません。
「気持ちが凛とし所作が丁寧になった」「季節を感じられる日本人でよかった」「日々の暮らしに新しい世界が広がった」など「着物を着ることで」内面にまで影響することに気付かされます。
この様な感情を目覚めさせる着物の力に、とても興味を惹かれます。
また素材に目を転じると、現在も伝統的な染織の技法が残っていて、日本各地の気候風土から生み出され受け継がれています。
その風合いは土地にそそぐ太陽の光や気温、土の成分と水の鮮度、そこで生きる植物から取れる繊維の質でも異なってきます。
自然の恵みが持つ繊細な素材は、多くの時間と手によって着物や帯に生まれ変わるのです。
着物を着ることが非日常になった現代。
着物は高価でルールが多い、着方が分からず手間がかかる、着る機会がない、 という「着ない理由」を挙げるのは簡単かもしれません。でも、ほんの少しだけ着物について考えてみませんか。
日本の心とも言うべき着物に触れ、自分らしく装い、美しく振舞えたなら、きっと着物は私たちの心に潤いを与えてくれるでしょう。
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2010年1月吉日
柾木 良子